2011年11月04日

文章作成術−その1

弁理士業をやっていると、やはりコア業務は特許出願です。この特許出願の前段として、出願書類の作成があり、発明の内容、技術の内容を「文章」で表現する必要があります。
出願書類は、願書、明細書、特許請求の範囲、要約書、必要な図面の5種類の書類から構成されています。このなかで、最も文章量が多いのは「明細書」、特に一字一句気を遣うのが「特許請求の範囲」になります。
また、特許出願は「日本語による」と規定されていますから、「日本語の文章作成術」は大変重要です。
一方、特許明細書は「回りくどくて、読みづらい」という定評があります。その「読みづらい」明細書であっても、「権利範囲」を解釈するときに「参酌」されますから、日本語として、読みやすく、明確に記載することが基本です。
そのときに、出てくるのが「読点」。
特許請求の範囲や明細書を読んだことのある人なら、この「読点」の多さがきになるのではないでしょうか。日常の文章では、あまり気にしないで、「息継ぎ」的に使うことが多いと思います。
例えば、少し古い例になりますが、
「ジーパン刑事は血まみれになって走り出したサングラスの若い男を追いかけた。」という場合、読点がないと「血まみれになって」が「ジーパン刑事」なのか「若い男」なのかがはっきりしません。
「ジーパン刑事は、血まみれになって走り出したサングラスの若い男を追いかけた。」というように読点を打てば、血まみれになっているのは「サングラスの若い男」になりますし、
「ジーパン刑事は血まみれになって、走り出したサングラスの若い男を追いかけた。」というように読点を打てば、「ジーパン刑事」が血まみれになっています。
特許請求の範囲の記載では、その発明を構成する「構成要件」がいくつも登場し、その「構成要件」を、「AとBとCとD」を備えた「○○装置」において、というケースが頻出しますが、
「Aと、Bと、Cと、Dと、を備えた○○装置において、」と、読点だらけになりがちです。さらに、これを行替えしますから、
「Aと、
Bと、
Cと、
Dと、
を備えた○○装置において、
・・・
となります。
明細書でも、「読点」は頻出です。
「以下、図1ないし図3を参照しながら、○○装置の概略構成について説明する。○○装置は、図1に示すように、Aと、Bと、Cと、Dとから構成され、・・・。」と続き、途中の記載でも、「尚、Aは、例えば、××のように、□□であっても良い。」などと、「読点」オンパレードです。
読みやすさよりも、「強調」という側面が強くなることもあります。作用・効果の記載においては、この「強調」にも役立ちます。
「Aが○○であるために、□□という効果を得ることができる。」という場合は「Aが、○○であるために、□□という効果を得ることができる。」というように。

一方、明細書も「日本語文章」であることには変わりありませんから、「普通の文章」からあまりにも遠ざかった感じになると、帰って読みづらくなります。「並の読点数」で「明確に」かつ「読みやすく」を目指して勉強します。
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posted by セバスチャン at 11:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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