2011年07月14日

iPS細胞

「京都大は7月11日、再生医療や創薬への応用が期待される人工多能性幹細胞(iPS細胞)の基本技術について、欧州での特許が成立したと発表した。iPS細胞を巡っては各国で研究開発や特許競争が激しい。京大の特許は日本のほか南アフリカや旧ソ連邦諸国、シンガポールなどで成立しているが、市場規模は欧州とは比較にならず、特許の対象となる技術の範囲も広く認定された。今後発展が予想される分野での日本の存在感が増しそうだ。(毎日)」
中国新幹線問題のように、「自分は、特許出してなかったし、特許出願されるとは思っていなかった、ケシカラン」という話題から2週間。
随分とレベルの違う話が、同じ国で話題になる不思議。
iPS細胞は京大の山中伸弥教授が2006年、世界で初めて発表。iPS細胞とは、既に分化している細胞を変化させ、受精卵の時のようにさまざまな細胞や組織に成長する能力を持たせた細胞で、iPS細胞から作った組織を使い新薬の安全性を確認したり、病気の仕組みを解明したりするなどの応用が研究されているほか、将来的に患者本人の細胞を使った再生医療への応用が期待されています。

このiPS細胞については、発表当時から特許出願、とりわけ米国の研究者との出願の先後が随分と話題になっていたことを記憶しています。
京大は2006年12月に特許を国際出願、いわゆるPCTルートで、今回中国が新幹線の特許出願で利用したのと同じです。この出願の各国移行による欧州分は欧州特許条約に基づきヨーロッパ特許庁(EPO)が審査し、7月7日付でEPOから登録査定があったものです。欧州特許が成立すれば英独仏など出願時の加盟国(31カ国)で登録でき、17国で手続きを取るそうです。

 欧州は、米国と並んで医薬品メーカーや大学などの研究機関が多く、iPS細胞を使ったトップレベルの研究開発が盛んで、その欧州で、京大が特許を獲得した意義は大きいと言えます。京大のiPS研究所は専門家を集めた知財契約管理室を設け、京大産官学連携本部とともに特許戦略を展開しているから、こういう成果を収めることができたのだと思います。
特許戦略どころか、「新幹線技術は国内のメーカーと旧国鉄(現JR)の技術陣の長い期間にわたる汗と涙の結晶だと思っている」と述べ、不快感を示したどっかの社長とは随分レベルの違う話です。
戦略と組織の重要性を痛感します。その日本、国内出願はドンドン落ち込み、失われた20年をどこまで更新していくのだろうと心配していましたが、今日弊所でクリックした特許出願の出願番号は156×××。7月中旬ですから、単純計算すると、2011年はやっと、30万件に届くかも知れないという状況。
特許出願は、技術開発活動のバロメータ、ガンバレ日本。
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posted by セバスチャン at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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